卒業論文は、大学生活の集大成です。ここでは文系の卒業論文を想定して、書き方の基本や効率の良い手順をご紹介したいと思います。テーマの決め方や、4年生から始まる就活との両立を踏まえた準備の時期についてもお伝えします。結論から言うと、卒業論文の準備は遅くとも3年生の冬休みまでには取り掛かっていることが望ましいです。就活との両立を考えると、卒業論文の準備は4年生になってからでは遅いのです。2019年卒の就活スケジュールでは、ナビサイトでは3年生の6月から自己分析や企業研究を始めるようすすめています。4年生の3月には企業のプレエントリーが開始されます。それまでに、どういった業界のどの企業に応募したいかまで決めておかないと、プレエントリーが締め切られたあとでは応募ができません。同じく4年生の3月からは、合同企業説明会や個別の企業の筆記試験、面接も開始されます。ESや履歴書の自己PRや志望動機は書類選考の合否を左右しますから、よく考えて書かなければなりません。ということは、遅くとも3年生の冬休みの1~2月には、就活と卒業論文の両方の準備をすることをおすすめします。▽卒論に苦しむ就活生の声はこちら最初に、卒業論文のテーマの決め方をご紹介します。卒業論文は普段提出しているレポートよりもずっとボリュームが多いので、段取りをしっかりと考えて取り組みましょう。卒業論文のテーマを決める際には、テーマの範囲が重要です。範囲が広すぎると抽象的になってしまうので、ある程度絞りましょう。まず、大学生活でそれまでに勉強してきた専門科目のうち、面白かったり興味深かった講義をいくつかピックアップします。その中から、卒業論文のテーマとして深掘りできそうな項目をリストアップしてみましょう。興味があるというのがポイントです。参考文献を何冊も読むことが必要なので、その際に興味がある項目のほうが読むことが苦になりません。次に、それぞれの項目のもとになった講義を担当した先生に、その項目が卒業論文のテーマとして成立するかどうかを聞きましょう。今まで専門科目を広く浅く学んできた学部生には、この判断が意外と難しいのです。ここで卒業論文として成立しにくいテーマを選ぶと後々苦労します。例えば参考文献が少なかったり、範囲を絞りすぎて規定の文字数を満たせそうになかったりといった具合です。もちろん、項目だけをポンと聞くのではなく、その項目をもとにどんなことを書きたいのかを大まかに考えて、説明できるようにしておきます。先生は、自分の専門分野の有名な参考文献は全て頭に入っています。そのため、あなたがリストアップした項目が卒業論文のテーマとして成立するかどうかの当たりを付けられるのです。しかし、あなたがどんなふうに卒業論文を書くかまでは予想できません。書き終わる頃になって規定の文字数が満たせそうにないと、非常に困りますね。最初はテーマの範囲を広めに考えて、徐々に不要な内容を切り落とし必要な内容に絞っていくのが良いでしょう。では、卒業論文を執筆する際の手順を解説します。とにかくやるべきことが多いので、どのような流れで書けばよいかを考えてから書き始めましょう。具体的な書き方もご紹介します。卒業論文の概要を作成する際には、まず、最後にどういう結論に持っていくのかを、おおよそ決めておきます。次に、その結論に持っていくために必要な中見出しのタイトルを考えましょう。そして、結論と中見出しに関係しそうな参考文献を選んで読みます。といっても、参考文献は同じテーマでも切り口はバラバラですし、AとBの文献では著者の意見が真逆だったりもするでしょう。1冊読むたびにノートに内容をメモして、あとでさっと参照できるようにしておきます。とはいえ、実際の卒業論文の書き方は、概要を考えつつ参考文献を読みつつの並行作業になるものです。選んだテーマにおいて、読んでおくべき基本の参考文献をまず押さえます。これは、指導担当の先生に何冊か紹介してもらい、あとは紹介してもらった参考文献の著者自身が最後に参考文献として記載している文献もリストアップ。他には、卒業生の卒業論文の中で自分のテーマに近いテーマで書かれているものを探し、やはり最後の参考文献をリストに加えます。手に入りにくい参考文献もありますから、この作業は早めにやりましょう。遠くの大学の図書館や国立国会図書館でも、「図書館間貸し出しサービス」や「遠隔複写サービス」が受けられる場合もあります。導入文、見出し1、見出し2と順番に書いていけるなら、流れに沿って書けているかどうかの検証をしながら書けて効率は良さそうです。しかし、それが難しい場合は書きやすいところから書き始めてみても良いでしょう。参考文献を読み進めたり本文を書いていくうちに、見出しの順番を変更することもあり得ます。最初に決めた順番では書きにくいと感じたら、概要を見直しても良いのです。そうして柔軟に調整をしながら、本文を書いていきます。卒業論文のフォーマットは、文系ならWordを使用する場合が多いでしょう。また、卒業論文の目次構成の一例は次のようなものです。第1章 序文 卒業論文の作成技術は、以下のとおりです。念頭に置いて執筆しましょう。1.である調に統一して体言止めは使用しない1.論理が繋がるように書く最後に、卒業論文の参考文献の収集方法、引用と参照の違いや書き方をお伝えしましょう。参考文献の収集方法は、前述したように、まず指導担当の先生にテーマについての基本の参考文献を聞きます。また、インターネットで検索して、参考文献をリストアップしてくれているサイトがあれば目を通しましょう。単行本は1冊何千円もするので、大学や自宅近くの図書館あるいは国立国会図書館で借りて読み、必要になりそうな部分はコピーしてファイリングしておくと良いのです。また、ネットや実店舗の古書店で定価より安く販売されていることもあります。引用とは、参考サイトの文章を一字一句違えず本文に記載するものです。引用は、なるべく近くに出典を記載します。参照とは、読んで参考にしたという意味です。参考文献の文章を執筆者が自分の中で消化して、卒業論文の本文には自分の言葉で書きます。参照した部分に何かの印を付け、参考サイトのリストにも同じ印を付けておきましょう。参照は、卒業論文の一番後にまとめて出典を記載します。引用と参照の出典の記載方法は大学によって違いますので、大学が定めたルールに従って書きましょう。参考文献やネットの参考サイトの文章を出典の記載なしにそのまま記載する「コピペ」は厳禁です。2018年のような就活スケジュールだと、就活と卒業論文執筆の時期がどうしても重なってしまいます。就活のプレエントリーが始まる前に、卒業論文のテーマを決めたり書き方を知ったりして下準備し、スムーズに書けるようにしましょう。早めの準備があれば、卒業論文の書き方に不安になることはなさそうです。食べ歩きが大好きな、関西在住アラサー女子です。関西人が求めるのは、やっぱり安くて美味しいご飯。もちろん、その上オシャレな店なら言うことなしです。今日も、3拍子そろった店を探して食べ歩きます! 卒業論文は、大学生活の集大成です。ここでは文系の卒業論文を想定して、書き方の基本や効率の良い手順をご紹介したいと思います。テーマの決め方や、4年生から始まる就活との両立を踏まえた準備の時期についてもお伝えします。 卒業論文はいつごろから準備する? 「卒論2万文字なんて無理だよ・・・」 本記事では、こういった悩みや疑問に答えていきたいと思います。筆者は大学院生の頃、5万字を超える修論を1週間で書き上げた経験があります。 実は、こういった悩みや疑問は 学生のよくある勘違いとして「卒論は、とにかく文字数を稼ぐために、果てしなく作業する」というものがあります。 たとえば、キッチンで料理を作っているときに「たまごがない!」と言って、料理を一時中断し、スーパーにたまごを買いに行ったとします。 そして、自宅に戻ってきて料理を再開した数分後、今度は「ケチャップがない!」と言って、料理を中断し、再びスーパーに・・・。 こんなことしていたら、料理にすごい時間がかかってしまいますよね。卒論を書くということは料理と同じです。 (多少は、書きながら調べたりすることもありますけど・・・。) 卒論に時間がかかってしまう学生は「調べごとをする/調査をする/分析・考察する」という "研究の部分" と「卒論を執筆する」という "研究を伝える手段の部分" を同時に行おうとします。 そんなトリッキーなことをしていては、より複雑に難しくなるし、手戻りは多くなるし、わけがわからなくなって質は落ちるし、なにより時間がかかってしまいます。 下準備をしておくべきものは以下の通り。 特に、参照したり引用したりする部分には付箋などを使って、いつでも見ることができるようにしておくのがオススメです。 私が学生の頃は、付箋を貼った文献と論文のコピーが研究室の私の席に、山積みになっていました。 参考文献の書き方は、大学や研究室、所属学会の規定のフォーマットに従います。 文系の論文の場合は、この参考文献リストの多さが「先行研究にどれだけ目を通した上で研究しているのか」という点で、少なからず、評価ポイントのひとつとなります。 ですので、参考文献をメモしていき、文献数が少なく思う場合には、執筆の前に、文献集めをやり切ってしまったほうが良いでしょう。 ちなみに、海外の文献にも目を向ける(参考文献に入れる)ことで、論文の質は向上します。 ここで知っておくべきキーワードは「再現性」です。 いつ・どんな状況で・どうやって行われたかわからないような調査よりも、そういった調査の前提が明瞭に記されていて、読んだ人がそれに従って同じように調査をする(再現する)ことができるほうが研究の信憑性が増しますよね。 この「調査の前提」は、調査を行った本人でも時間が立つと忘れてしまいますので、調査実施後、忘れないうちにメモをしておくのがオススメです。 その上で、調査結果/データをまとめておきましょう。 そして、全体を通し、自分の研究を下記のようにストーリー立てて説明することができれば、本当にもうあとは論文を書くだけ、といえます。 よくある文系の卒論のテンプレートは次の通り。 それぞれの章は次のような構造を用いると、わかりやすくまとまります。節や項の数は必要に応じて増減させてください。 「はじめに」では「本章では、最初に○○について説明をする。次に、○○について述べ、最後に、○○について整理をする。」のように、数行の文で簡潔に章の内容をまとめます。 「まとめ」では「本章では、○○することを目的として、○○について述べた。これを受け、次章では、〇〇について述べる。」のように、こちらも数行の文で簡潔に。 各章に「はじめに」と「まとめ」が入るだけでも、結構な文字数になりますよね。冒頭で言った通り、こうやって必要なことを書いていくと、いやでも2万文字くらいになってしまうのです。 頭から論文を書き進めていき、一発で完成させようとするのは、あまりオススメできません。 なぜなら、論文の全体像が明確にイメージできないまま書くことに没頭すると、まとまりが悪くなったり、文章間の連携が悪くなったり、細かい部分の書き方・言い方に迷ったり・・・、読みづらい文となってしまうからです。 実際に私も、こういった書き方はせず、 まずは、目次を作りましょう。章・節・項のタイトルも仮でいいので、書いてみましょう。 そして、本文には「ここに○○書く」とか「ここに○○の図を載せる」とか「ここに○○の比較の表を載せる」と、かんたんに書いていき、未来の自分に雑に指示を出しましょう。 用意していた参考文献リストなども載せ、一通り雑なスケルトン論文を完成させます。 ここまで下準備ができたあなたは、正直なところ、もう勝ち組です。