ソラナックス(コンスタン)は抗不安薬というカテゴリーに属する薬です。抗不安薬とは脳の緊張や興奮を抑え、不安を和らげる効果のある薬のことを言います。ここではソラナックス(コンスタン)の概要と効果・副作用、そして特徴についてご紹介します。 アルプラゾラム(ソラナックス・コンスタン)の効果や副作用、飲み合わせについて アルプラゾラムの効果やその強さの比較、効果時間から依存症などの副作用、アルコールやほかの薬との飲みあわせまで詳しく解説します。 ソラナックスにはアルプラゾラムが0.4mgと0.8mg入ったタイプが存在します。 アルプラゾラムは ベンゾジアゼピン系薬剤は脳内の アルプラゾラムが脳内にあるベンゾジアゼピン受容体に結合すると、GABAがGABA受容体に結合しやすくなり、細胞外にあるClイオンが細胞内に入り込み、興奮が伝わりづらくなります。 ベンゾジアゼピン受容体には、ソラナックスはω2受容体だけでなく、ω1受容体にも作用します。 そのためソラナックスには なのでファイザーからは「ソラナックス」、武田薬品からは「コンスタン」という商品名でそれぞれ販売されている。 (コンスタン錠:武田薬品) 効果の違い
ソラナックス(コンスタン)は抗不安薬というカテゴリーに属する薬です。抗不安薬とは脳の緊張や興奮を抑え、ここではソラナックス(コンスタン)の概要と効果・副作用、そして特徴についてご紹介します。なお、ソラナックスとコンスタンは名前は異なりますが、中身は同じ薬になりますので、以下ではソラナックスに記載を統一します。目次ソラナックスは日本では1984年に発売された抗不安薬です。30年以上使われている歴史のある抗不安薬になります。以下に薬の基本情報をご紹介します。ベンゾジアゼピン系抗不安薬というのは、現在主流として使われている抗不安薬の系統となります。確かな効果と安全性の高さがその特徴の1つとなっています。脳内の不安や催眠に関わるGABA受容体に作用し、不安を和らげるというのが大まかな作用プロセスになります。薬の効果は服用後約2時間で最大になり、約14時間で血中の濃度が半分になります。半減期がおおよそ薬が効果を発揮する時間の目安になりますが、実際にはそれよりやや短いという印象を受けます。ソラナックスに関しては、概ね5~8時間程度効果を感じます。これら以外にも強迫性障害やパニック障害に用いられることもあります。ソラナックスをはじめとした抗不安薬は、作用時間の長さと作用の強さという2つの軸で分類されます。まず、抗不安薬の作用時間の4つの分類を見てみます。大まかなイメージとしては、急に現れる不安や焦燥感への対処は短期から中期作用型の薬が使われることが多いです。一方で、体を休みやすい状態にしたり、漠然と長く続く不安への対処には長期から超長期作用型の抗不安薬が使われることが多いです。ソラナックスの場合、中期作用型の抗不安薬になります。そのため、頓服として急な不安に対処するのに用いられたり、また1日効果を持続させるには、1日に複数回服用する必要があります。なお、うつ病などにより発生する不安に対処する以外にも、パニック障害や強迫性障害にも使用されることがあります。抗不安薬には主に以下の4つの効果があります。ソラナックスの場合、確かな抗不安作用と一般的な睡眠作用を持つ一方、筋弛緩作用と抗けいれん作用は弱いとされています。抗不安薬には等価換算表という、効果の強さを横比較する基準があります。この換算表は、ジアゼパム(商品名:セルシン、ホリゾン)5mgを基準として、他の抗不安薬の場合何mgに相当するかを記載したものです。そのため、数字が小さいほど効果が強いという見方になります。この等価換算表を見ると、ソラナックスは0.8mgとなっており、他の抗不安薬に比べ効果が強いと読み取れます(セルシン5mgとソラナックス0.8mgが同じ程度の効果という見方になります)ただし、実際の使用に際しては効果の強さは量で調整できるため、あくまで1つの目安として見ておくとよいと思います。ソラナックスをはじめとしたベンゾジアゼピン系の抗不安薬には主に以下の4つの副作用があります。「耐性」とは、その薬を使い続けることによりその薬に体が慣れてしまい、同じ効果を得るためにより多くの量を使用しなければならない状態になることをいいます。「依存性」とはその薬が体内に入ってくることが当たり前になってしまい、その薬なしではいられなくなってしまう状態になってしまうことをいいます。「眠気」は効果の「睡眠作用」の裏返しですが、抗不安薬というのはそもそもの構造が睡眠薬と類似しているため、多くの薬で眠気を生じます。「ふらつき」は効果の「筋弛緩作用」の裏返しですが、筋肉のこわばりを和らげる効果がある一方で、それがふらつきにつながり、転倒などが起こりやすくなります。これら4つの副作用のうち、ソラナックスは耐性や依存性にはやや注意が必要と言われています。やはりある程度切れの良い薬の場合には、依存性や耐性には注意する必要があります。一方で、眠気に関しては個人差がありますが、個人的にはそれなりに眠くなる抗不安薬という感想を持っています。ソラナックスはどの程度使われている抗不安薬なのでしょうか。以前、抗不安薬の使用に関するアンケート調査を行った結果は以下のようになります。(全得票数311)関連記事:この結果を見ると、ソラナックスは第2位となっており、非常によく使われている抗不安薬であることがわかります。さすがに圧倒的な人気を誇るデパスには劣りますが、それに次いでよく使われている抗不安薬です。確かな抗不安作用を持ち、即効性があり、安全性も比較的高いことから、発売から30年以上経った今でもよく使われているのではないかと思います。ここでソラナックスを使った感想をいくつかご紹介します。抗不安というよりも睡眠導入用に使っています。0.6mg服用すると翌朝まで残ったような感じがします。抗不安に対しての効果はあまり実感がありません。セルシンやワイパックス、レキソタンよりも不眠に対しては効果があります。ソラナックスは結構眠くなる抗不安薬ですので、このように睡眠薬として使われることもままあるようです。ワイパックスやレキソタンよりも不眠に対して効果があるという記述は興味深いところです。個人的な感触では、ワイパックスとソラナックスは特に眠くなりやすい抗不安薬です。ソラナックスを、不安が強いときの頓服として処方されましたが、0.4mgを1錠服むと日中は起きていられません。不安感はたしかに軽減しますが、頭がぼーっとする感じが強く、仕事であれこれ判断するのに支障が出るのには困りました。抗不安薬は全般的に眠くなるので要注意ですが、ソラナックスはその中でも眠気が多い薬です。そのため、仕事をしている時には注意が必要です。不必要に眠いと、眠気をこらえることがストレスにもなりますので、この辺りは薬をうまく調整する必要があります。不安と焦燥感が強いときは、効いているのか効いていないのかわからないような感じですが、減らしてみたらやはり効いているのだということがわかります。また、服み忘れると、めまいがしたり不安感が出たりしました。これ、抗不安薬に限らず、抗うつ剤でもよくあるんですよね。使っているときは効いているかどうかよくわからないのですが、減らしたり止めたりすると影響が出て、効いていたことがわかるということはままあります。このような時は、そのまま様子を見るか、元に戻すかですが、影響が大きいようであればすぐに戻してしまった方が生活の質は保てることが多いように思います。当初は日に3錠でも効かず、たびたび頓用で服んでいました。しかし結局、私にはあまり効きませんでした。ひどいときは、まったく用をなさない感じです。ソラナックスは比較的効果の強い薬ですが、このように効かないケースもあるようです。抗うつ剤に比べると抗不安薬は個人差が少ないように感じますが、それでも人によって効いたり効かなかったりすることはあるようです。この辺りは精神科の薬の難しさですね。一般的には、忍容性の高さ(薬に対する反応性)が薬の効き具合と関係していると考えられています。参考文献:ソラナックスは日本では3番目に発売されたベンゾジアゼピン系の抗不安薬です。発売された当初はそれまでの主流であった発売されてからだいぶ経ちますが、確かな効果がある反面、それほど副作用が多くないというバランスのよさから、上記のように現在でもよく処方されています。また、抗不安薬にしてはめずらしく、若干の抗うつ作用も持ち合わせているという特徴もあります。ベンゾジアゼピン系の抗不安薬の中では比較的睡眠効果は弱いとされていますが、人によってはとても眠くなることもあり、この辺りは個人差があるようです。ちなみに私の場合にもソラナックスを使うと必ず眠くなります(元々薬に対する忍容性が高くないので、大抵の抗不安薬で眠くなります)ソラナックスの注意点としては依存性や離脱症状でしょうか。元々作用時間が短く、効果の強い薬は依存性や離脱症状が起こりやすいと言われています。ソラナックスの場合には、作用時間は中間程度で効果もそこまで強いわけでないにも関わらず離脱症状が起こりやすいのはちょっと不思議な感じがします。もちろん離脱症状の起こりやすさは薬を使用している期間や使用量、個々人の体質にもよると思いますので一概には言えません。個人的には徐々に容量を減らしていくなりちゃんとした止め方をすれば、それほど問題にはならないのではないかという感想を持っています。 以上、ソラナックスの特徴をまとめると、となります。シェアする
このブログは、精神科全般についての雑記帳です。良き縁となれることを期待して、 診察室で日々体験してきた、本当の話を、本音を交えてお伝えしたいと思っています。 手動瞑想を取り入れた精神療法を現在模索中。 コンスタン0.4mg錠~0.8mg錠、ソラナックス0.4mg錠~0.8mg錠 ・・その他(ジェネリック) & 薬価: 区分 : 催眠鎮静剤,抗不安剤/ベンゾジアゼピン系/マイナートランキライザー ソラナックスを服用し、約2.1時間で効果が最大になり、その後14時間ずつ血中濃度が半分に分解されていきます。 効果が持続する時間は6時間程度ですので、通常は1日3回で服用します。 不安や緊張、睡眠障害に対しては1週間、心身症の場合は4週間ほどで改善が認められます。
といった作用があります。 またもあります。ソラナックス錠の効能・効果は下記のとおりです。
メンタルヘルスに関する情報発信 精神科医こいちゃんの診療録. ソラナックスは即効性を期待するお薬なので、理論的には大きな差がないとしても、効果に違いを感じる方はいらっしゃいます。その場合はもちろん、先発品を使っていくことも可能です。 【参考】ソラナックスの作用機序 ベンゾジアゼピン系の抗不安薬にソラナックス錠(成分名:アルプラゾラム)という薬があります。 ソラナックスは抗不安薬の中で作用時間が中間型、強さがマイルドなのが特長です。 ソラナックスについて 「作用機序(メカニズム)は?」 といった質問を受けることがあります。 少し専門的な用語もでてきますが、ソラナックスを服用される患者さんの疑問を解決するためにお役に立てると幸いです。 概要
デパスは田辺三菱の子会社である吉富製薬が開発した安定剤、チエノジアゼピン系で成功したリーゼの構造にトリアゾール骨格を縮合させパワーアップした薬。 ソラナックスはセルシンを始めとするベンゾジアゼピン系の発展形として米アップジョン(現ファイザー)と武田薬品が偶然同じタイミングで同じ化合物を開発していたという経緯から2社が共同開発した。なのでファイザーからは「ソラナックス」、武田薬品からは「コンスタン」という商品名でそれぞれ販売されている。 (コンスタン錠:武田薬品) 薬というのは成分と量によって効果が違うのでデパスとソラナックスどっちが強いかというのは一概に答えられないがこれまでの臨床実績から大まかな強さが解っている ( この等式によるとデパス0.5mgよりソラナックス0.4mgの方が強いという事になる。 しかしデパス0.5mgの方がソラナックス0.4mgより効くという人もいる。 最高血中濃度に達するのはソラナックスの方が早いがデータだけでは一概にどっちが早く効果が出るとは言えない。一般的にはベンゾジアゼピン系よりチエノジアゼピン系の方が効果が早く薬効が出現して代謝も早い。 ソラナックスよりデパスの方が切れ目がハッキリするので患者さんが薬効を実感を得やすい。 しかし薬が効くのが実感できるということは逆に言えば切れた時も実感できる。薬が切れたらまた飲みたくなるのが人情。ソラナックスは半減期が14時間と長く穏やかに効果が無くなるのでデパスよりは依存性がマシ。 2つとも心身症に適応があるが細かく見ると違いがある。 デパスが対応している心身症(高血圧)はソラナックスにはない。しかしその分ソラナックスには心身症(過敏性腸症候群と自律神経失調症)がある。 ソラナックスが良く使われる病気としてパニック障害がある。パニック障害の第一選択薬は勿論SSRIであるがSSRIは効果発現に時間が掛かる。そしてパニック発作が起きてしまったときにパキシルを服用しても直ぐには効果が表れないので持ち歩いてもお守りにはならない。そんな時に頓用するのがソラナックス。 ただパニック障害に対しては常用するのではなく頓用が基本。使わないでいいならそれに越したことは無い。ソラナックスの副作用にはデパスには無い「錯乱」もある。 そんなソラナックスの大してデパスは適応症が豊富。 頭痛、腰痛といった精神科以外でも処方可能、マイスリーが使えない統合失調症の不眠症に対しても使える。 ベンゾジアゼピンのA環に電子吸引基の塩素原子を導入し更にトリアゾールを縮合したものがユーロジン。そのユーロジンにメチル基を付加したものがソラナックス。メチル基が一つ増えるだけで半減期が10時間も短くなるのが面白い。 売上的にはデパスとソラナックスに約5倍の差があるがこれはファイザーのソラナックスが世界的に販売されているのに対してデパスは日本と一部の国でしか販売していない事によるので性能差ではない。 デパス錠0.5mgの薬価は9円、ソラナックス錠0.4mgは7.9円と安い。にもかかわらずこれだけの売上がある。不安だらけの世の中。 email confirmpost date日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策) ソラナックスとアルコールは「併用に注意すること」となっています。 どちらも中枢神経抑制作用がありますので、併用すると眠気・注意力・集中力などの低下が増強することが報告されています。 お酒を絶対に飲んではいけないわけではないですが、ソラナックスを服用中はできる限りお酒を抑えるようにしましょう。 ふらつき「耐性」とは、その薬を使い続けることによりその薬に体が慣れてしまい、同じ効果を得るためにより多くの量を使用しなければならない状態になることをいいます。「依存性」とはその薬が体内に入ってくることが当たり前になってしまい、その薬なしではいられなくなってしまう状態にな… メンタルヘルスに関する情報発信