パラレルワールド ラブストーリー 感想
『パラレルワールドラブストーリー』は現在動画配信サービス「u-next」で配信されています。 u-nextでは、初回登録につき31日間のお試し期間が付与されるので、 完全無料で『パラレルワールドラブストーリー』を観ることが可能! タダで映画をみたい! 東野 圭吾『パラレルワールド・ラブストーリー』の感想・レビュー一覧です。ネタバレを含む感想・レビューは、ネタバレフィルターがあるので安心。読書メーターに投稿された約4件 の感想・レビューで本の評判を確認、読書記録を管理することもできます。 映画『パラレルワールド・ラブストーリー』ネタバレ感想・解説を紹介しています!「パラレルワールド・ラブストーリー」は東野圭吾の小説が原作で、伏線だらけの恋愛・ミステリー・友情が一度に楽し … この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます 「パラレルワールド・ラブストーリー」 感想 主人公と恋人が幸せな日々を送る世界と、恋人が主人公の親友と交際している世界が並行する物語を描き出す。 『パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)』(東野圭吾) のみんなのレビュー・感想ページです(1521レビュー)。 映画『パラレルワールド・ラブストーリー』感想・考察.

映画『パラレルワールド・ラブストーリー』は、東野圭吾の人気作品を実写化した作品です。恋愛・友情・科学分野における記憶を題材にミステリー調に描かれた作品です。東野圭吾ファンにとっても鑑賞しておきたい作品ですが、俳優陣にも注目が注がれる映画としても話題を集めているので、気になっている人も多いのではないでしょうか?今回は、そんな映画『パラレルワールド・ラブストーリー』を観たネタバレ感想やストーリーの解説をまとめてみました!目次脳の分析研究を行っている研究者の敦賀崇史は、大学院生の頃に日々乗っていた電車と並走して走る電車で津野麻由子を見かけて一目惚れをしてしまいます。しかし、就職をきっかけに麻由子を目にすることはなくなってしまったのでした。そんなある日のこと、同じ研究所に勤める親友の三輪智彦から恋人を紹介されることになり、友人の岡田夏江と待ち合わせの喫茶店で目にしたのは、大学時代に電車の中で一目ぼれした津野麻由子でした。 そして、ある朝崇史が目を覚ますと、自分の家で朝食を作っていたのは麻由子で、今まで見ていたのは夢だったのかと思い直します。麻由子は智彦から紹介されて交際することになった彼女であり、同棲生活をしながら幸せに暮らしていたのです。自分と麻由子は付き合っていて幸せに感じていた崇史でしたが、一方で、夢の中では智彦と麻由子が付き合っているという体験を度々見るようになり、やがてある不思議な疑問を抱き始めます。それは、あれだけ仲の良かった智彦となぜか疎遠になっていること、最初に見た夢の通り、やっぱり麻由子は智彦の恋人としてあの時の喫茶店で紹介してもらった女性ではないのかということでした。麻由子が「親友の恋人である」という現実と、「自分の恋人である」と言う現実。彼女は現実の上で自分の恋人なのか?それとも、親友の恋人なのか?同時進行する2つの世界で、愛する女性と親友の間で翻弄されながら、2つの世界に迷い込んだ崇史が真実を求めた向こうにあるものとは…。この作品の主人公でもある崇史の性格は頭が良く、ルックスにも自信があって、その理由からプライドが高く、負けず嫌いな性格。その一方では、片足の不自由な智彦のことを気づかいする優しい部分もありました。そんな崇史が、智彦に麻由子を紹介されたのをきっかけとして、親友であるはずの智彦への嫉妬心が沸き上がります。さらに、研究でも先を越されたとわかると、崇史は隠していたはずの人間的なダークな一面を表に出すようになっていきます。 原作と比べると映画の中では、崇史を演じた玉森裕太が爽やかな印象を与えるため、主人公の嫉妬心が穏やかに感じられますが、原作では、意地の悪さが出てしまう場面も具体的に描かれているため、演技力でカバーをしているのが印象的です。崇史が麻由子に対し、智彦の体のことをどう感じているのかと聞く場面がありますが、「それって同情じゃないのかな」といわれたひと言に対し、崇史はどうしても麻由子が自分と比べて智彦を選んだという事実に納得がいきません。また、映画では崇史と麻由子がバスケを楽しむ場面がありますが、その時の演出やあからさまな崇史の行動に、何だかダーティーな展開になったなという緊張感が作品ににじみ出てきます。友情とプライドの狭間が上手く表現でき、原作にも劣らないところは監督をはじめ、演者の演技力や演出力が光っていました。自分の心の醜さ段々と気付きながらも、プライドを捨てることができない崇史の葛藤にもリアルな一面が現れていたと思います。ただ、人によっては友情とプライドに揺れることはあっても、動機に関して言えば共感できない人もいるのではないでしょうか。これは意見が分かれるところではありますが、ストーリー性に異議を申さなければ、この独特な空気感も受け入れたうえで、崇史のダークな一面を楽しむことができると思います。原作では、麻由子の気持ちを試してみる、ある出来事に見舞われます。それは、3人を巻き込む所属の研究所のアメリカ支社への移動の話です。はじめ、崇史と智彦の元へ同じ時期にアメリカ支社への転勤の話が入ります。二人が勤務している研究所であるバイテック社で働く人間にとってはかなり名誉のある話です。けれども、崇史が決めた答えは、日本に残るという決断でした。それは、麻由子と離れたくなかったことに加え、智彦と麻由子が距離をとる隙をついて自分が麻由子と付き合うことができるかもしれないという望みからでした。 その事情を告げられた麻由子は崇史を責めますが、一緒についてきてほしいと言われた智彦にも返事をしないまま気持ちが揺れ動きます。崇史が断ったことで、次は智彦の助手として米国行きの話が麻由子の所に持ち掛けられます。崇史は、2人の恋人の仲を割って略奪しようとする自分のやり方に天罰が下ったのだと反省し、智彦と麻由子でアメリカへ行くように勧めましたが、今度はなぜか麻由子が崇史の申し入れを断わる場面が描かれています。また、断った理由を崇史が尋ねると、麻由子は「私は行く権利がない」と言い、アメリカ支社から声がかかったことや崇史の想いも智彦には内緒にするという結果になりました。 学生時代からの友情と研究者としての才能のどちらにも傷を付けたくないという想いやりや優しさと、同時に崇史と智彦2人を選ぶことができなくなってしまった麻由子の心情を表したエピソード。映画の中では少し端折られてしまったこの場面も、原作の通りに再現されていたら少し恋愛要素の強い作品になっていた気がしますが、時間の関係なのか入っていなかったため、どうしてもミステリーの方に軸が傾いている印象を受けました。「ラブストーリー」というタイトルから恋愛をベースに楽しみに行った人からすると、少し恋愛要素の少ないストーリーに出来上がっているため拍子抜けするかもしれませんね。東野圭吾の作品では恋愛もののミステリが好きな私にとっても、ちょっと比重が違うのかな?という印象を受けました。ただ、ミステリー要素は豊富なので、恋愛よりもミステリー映画のほうが好きと言う人にとっては、恋愛要素がコテコテしすぎずに楽しめる作品なのではないでしょうか。敦賀崇史を演じたKis-My-Ft2の玉森裕太さんと言えば、映画『ごくせん THE MOVIE』、『劇場版 ATARU THE FIRST LOVE & THE LAST KILL』などに出演した経験がありますが、主演映画としては『レインツリーの国』ぶりとなり、4年ほど期間が空いていました。バラエティから始まり、テレビドラマや舞台のお仕事で着々と演技を磨いている印象で、今回の作品の役のイメージにも合っていたような気がします。ただ、今作に出演している主演級の俳優陣の演技力の評判が高いということもあり、レビューサイトなどでは演技力に疑問視されていることもあるようですが、演じたキャラクターを考えると、難しい役どころだったのではないかと思います。 一方で、三輪智彦役を演じた染谷将太さんは過去にヒット作の出演が多く、主役脇役問わずにカメレオン俳優になれるところは、さすが子役からのたたき上げでした。二世俳優さんとのことですが、演技力に関しては不安要素もないため安心して観に行けますし、主演も張れる俳優さんなだけあって観ていてもしっかり役になりきってくれたおかげで、観ている側もストーリーに集中できました。また、麻由子役を演じた吉岡里帆さんも朝ドラからの根強いファンが多く、演技力の高さからも話題の女優さんです。ルックス的にも今回の恋愛ミステリの世界観にマッチしていて演技力も申し分なかったのですが、役どころが魔性の女といった感じなので、なんでもこなす女優さんだなと感心してしまいました。玉森裕太さんと吉岡里帆さんは映画でお目にかかることが少なかったため、この作品をキッカケに映画での活動も益々観たくなりましたね!『パラレルワールドラブストーリー』では、麻由子と恋人同士である世界それぞれの世界が混在する世界に、崇史が迷い込むというパラレルワールドの設定です。(結果は違いましたが…)では、現実世界はどっちだったのか?崇史は最初、夢の中で麻由子が親友智彦の恋人という設定になっている世界を見て、同棲をしている麻由子に「変な夢を見た」と言いいます。麻由子もこれに対して「変なの」というセリフを言いますが、崇史が夢で見ていたのは、実際には現実世界での記憶でした。ただしこれは、映画を最後に見終わったことにわかることなのでこの時点ではパラレルワールドが広がっているのか?と言う疑問が湧いてきます。鑑賞しているとこのときの描写が現実であると確信できる要素はまだないため、現実の世界では麻由子は崇史と付き合っていない状態で、親友である智彦の恋人として自分に紹介されてしまいます。映画を見ている人にとってはパラレルワールドと言う言葉が使われたタイトルに、2つの世界が同時進行しているんだと言うような別世界を想像して話を錯覚してしまいます。ですが、実際には智彦と真由子は恋人の世界というのが現実世界。この後2つの世界が交差していく、まさにパラレルワールドのような世界観に、鑑賞者はどちらがどちらなのか混乱してしまうと思います。 原作を見ていない人にとっては、何かおかしいと言うことに気づけても、実際にはどちらが正解なのかと言うのは最後のオチまで見なければわからないため、はっきりしなさすぎて途中でつまらなく感じる人もいるかもしれませんね。ただ、ミステリーと友情・恋愛要素を絡めているストーリー性には素直に凄いとは思えますが、読み返し(巻き戻し)が出来ない映画館での鑑賞でこの複雑なストーリーを出されると、演出で大きくカバーしなければいけなく感じます。時代背景も同じ、服装なども同じ、勤務先や生活空間まで全く同じなため、きちんと順を追って理解したいと思った時にネタバレを読まずに観に行ってしまうと、何度も何度も映画館に足を運ばなければいけなくなりそうですね。 また、個人的にこの演出は卑怯だと思ったのは、途中途中に出てくる足を引きずって歩く年配の男性。杖をついており、智彦と同じ方の足を引いて歩いているため、これも何かの伏線なのじゃないか?と勘ぐっていたのですが、そこに対しては何もなかったのがなんだかズルい気がして仕方ありませんでした。映画終盤に近づくにつれてパラレルワールドのカラクリはわかるものの、見終わった後でもなんだかふに落ちないと思う人も多いような、とても複雑なストーリーを持った映画だと思いました。冒頭シーンの電車が平行するシーン。これは東京の山手線と京浜東北線の田端駅~品川駅までの同じ区間を2本の電車が同時並走するのですが、『パラレルワールド・ラブストーリー』というタイトルとマッチしていて、期待度が高まります。ただし、内容的にはパラレルワールドのような壮大なSFストーリーではなく、あくまで同じ時代の同じ次元で起こっていた話という落ちに、賛否両論巻き起こっていますよね。原作などの予備知識がない状態で観た場合は、文字通りの期待を裏切られる形の終わり方なので、タイトルとのギャップに困惑するのではないでしょうか。小説としてのタイトルネーミングなら“言葉の言い回し”として悪くもないですが、映画化をするとなると、タイトルを変更した方が評価は高かったのでは?と思います。ストーリーの方向性としては面白いはずなのに、東野圭吾と『パラレルワールド・ラブストーリー』という原作タイトルがすでにセットで売れすぎているため、しょうがなかったのかもしれませんね。 また、映画の尺に合わせて脚本しなおされているため、恋愛要素・友情要素も少し納得がいかないという人も多いはず。作品自体が難しい仕掛けになっているので、監督もまた映像化するとなると難しかったのではないでしょうか。ちなみに森義隆監督といえば、『宇宙兄弟』や『聖の青春』などの実写化を手掛け、脚本の一雫ライオンは映画やドラマ、舞台やCMまで手掛けています。東野圭吾の複雑な原作を実写化するとなると、この作品が限界レベルだったのかもしれません。最初の時点からラストまでの伏線もきっちり張られていたのですが、難しい内容に分からずに観終わったあとも納得のいかないモヤモヤは残るものの、ネタバレや解説、原作を見るなどして、一度話を理解した上でもう一度観てみると、きちんと張られた伏線を拾いながらストーリーを追うことができます。鑑賞者の観察力が試される形になった、ちょっと難しい映画となってしまったかもしれませんね。これから映画を鑑賞する人や、既に観たけど良く分からなかったと言う人は、作品の中に張られた伏線で答え合わせをすると複雑なストーリーもしっかりと1本の線でつなげることができます。ヒントとなったのは・キスされた麻由子の悲しい表情これらがラストのオチまでに張られていた重要となる伏線ですが、細かなものまで追っていくともう少し量が増えます。 智彦と麻由子が恋人同士だったというオチからの正しい時系列としては、【電車で見かける麻由子に崇史が一目惚れする】簡単な説明ですら、文字に書き起こしてもこれだけの流れの交差がバラバラになっていたので、観ている側が混乱するのも無理はないかもしれませんね。 ただ、これが分かったうえでもう一度作品を見返してみると、頭の整理がスッキリできる作品の仕上がりになっています。頭脳を使った恋愛ミステリーとして、東野圭吾ワールドに取り込まれていくので、気になる人は2回目を見ると、また違った発見ができるかもしれませんね!